ナムコの「ギャラクシアン」、アイレムの「ムーンパトロール」、任天堂の「ドンキーコング」、コナミの「スクランブル」と、力のあるメーカーは様々なヒットゲームを輩出して頭角を現していく中、弱小メーカーは他社のヒットゲームのコピーで食いつなぐのが精一杯という弱肉強食っぷりは、この時代からすでに始まっていたといえますね。
そんな中でもナムコのゲームは「パックマン」「ディグダグ」「ラリーX」「ギャラガ」「ボスコニアン」とどめの「ゼビウス」と、洗練されたゲームデザイン・グラフィック・サウンドで哺乳類の進化のごとくゲーム業界のトップに登りつめていく様とは裏腹に、進化の袋小路に迷い込んでしまったかのような奇怪なゲームが幾多の三流メーカーから多々輩出されたのも、この時代ならではの出来事だと思います。
さて、前置きが長くなってしまいましたが今回紹介するのはそんな奇怪ゲーの中でも特に異彩を放っていた「歌麿」を紹介したいと思います。
本作は1983年に「ENT.ENT」社から発売されましたが、以後同メーカーからのゲームリリースが一切無い事から偽名であると思われます。(一部情報では八千代電気製とも囁かれておりますが)

タイトル画面で「18歳以下はプレイすんなよ」と警告するセンスもさる事ながら、「警官を避けながら乱交パーティーの会場へ車で乗り込む」1面、「頭上からポロポロと降り注ぐ性病やヘルペスや蟹をかわしながら鍵をゲットしてギャルの部屋へ突入する」2面と、前人未到のオリジナリティ溢れるゲーム内容は斬新さに感心するより先に「このゲームを作った人間の頭の中は大丈夫なんだろうか」といらぬ心配をしてしまうほどでした。

そして最後の部屋に突入した先でのごほうびシーンは「レバーを上下に動かして股間の如意棒を伸び縮みさせ、彼女の腹部にぶっかければハッピーエンド」


…そして画面に浮かび上がる「GAME OVER」の文字。正味のプレイ時間は5分ちょい。
1コインでどれだけ長くプレイ出来るかに重点を置かれていた時代に、何もかもがアバンギャルドすぎる出来でした。
エロゲーという概念すら無かった1983年に、こういった斬新なゲームを作るオリジナリティや肌色すら表示出来ない貧弱なハードウェア上で表現される艶かしくも可愛らしいギャル絵は評価出来るのですが…

しかしまあ、1981年に発売された露出狂の変態女を操作するゲーム「ストリーキング」といい、斬新ならば何をやってもいい訳ではないという教訓をゲーム業界に与えた功績は評価してもいいと思うのです。
…2007年に発売された「らぶデス2」を見る限り、教訓は生かされたとは言いがたいのが現実ですけどね。


