そんな現代、色んなメディアがクソゲーを語る上で悪い比喩として良く使われる「画面がファミコンレベルのクソゲー」という言葉が市民権を得て久しいのですが、わたくしはちょっと待って欲しいと思うのです。
ファミコンが発売される直前の1982年の家庭用ゲーム市場は、さまざまなメーカーが凌ぎを削る戦場だったのですが、どこのメーカーもハード性能は低く、画面に表示されるキャラクターは単色・サウンドは雑音・ゲーム性は単調そのものがデフォルトでした。
そんな中に彗星の如く登場したファミコンの高スペックぶりと良質のソフト群は奇跡とも言える出来だったんですよ。
そんな衝撃的なモンスターマシンが発売された1983年にバンダイから発売された「アルカディア」というゲーム機がありました。
これがもう、悪い意味でのバンダイクオリティ大炸裂でして、ハードスペックは時代相応とはいえ貧弱そのもの、同梱されたコントローラーは死ぬほど使いづらく、ただでさえ崩壊しかけているゲーム性に追い討ちをかけるような操作性でした。
「ぴゅう太」といい「ゲームパソコンM5」といい、このヘンテコなコントローラーをどのメーカーも採用していたのが今でも不思議でなりません。どいつもこいつも集団催眠にでもかかっていたんでしょうか。

「アルカディア」にリリースされたゲームタイトルはどれもこれもゲームセンターでヒットしたタイトルの丸パクリの上に面白くないという凄まじさで、当然のようにファミコンに大敗北を喫しました。

そこでバンダイが起死回生に取った行動は、豊富な版権を利用して「機動戦士ガンダム」「超時空要塞マクロス」「Drスランプ」のキャラゲーで子供を呼び込もうと画策したのですが、低スペックなハードで動く似ても似つかないキャラゲーは購入した子供の失望と怒りを買いまくりました。
わたくしが当時所有していたMZ-2000にもキャラゲーみたいなものは存在していましたが、とりあえず最低限遊べる物ではありましたよ。
以下がそのスナップショットです。



さて、以下がアルカディアのキャラゲー群。スナップショットをじっくり見た上で当時の子供達がどういう気持ちになったか、想像して頂ければ幸いです。

▲「Dr.スランプ」


▲「ドラえもん」

▲「超時空要塞マクロス」
…ちなみに近所の友達の中で「アルカディア」を購入した明るい性格だったF君は、これが人生の中でターニングポイントになったのかは知りませんが、高校に入学した時点で、これ以上ないくらいのヤンキーに成り果ててしまいました。
そりゃまあ、こんなドラえもんをプレイしたらそうなる気持ちも理解出来るのですが。

「理想郷」なんて名前のゲーム機で人生を捻じ曲げられてしまったF君、今でもちょっぴり心配です。
参考文献:東洋バフォメット評議会さまの同人誌「ぴゅう太と愉快な仲間たち」
参考サイト:Nostalgiaさまのアルカディア特集ページ


