というのも、供給メディアがROMカセットからCDに意向しつつあった気軽さもあり、「俺らもイッパツ当ててやんべ」という志の低い新規メーカーの参入や、エロ表現には任天堂ばりに規制ガチガチなのに狂気・グロ方面には寛容という判断基準のよくわからないソニーチェックのおかげで、これまでのゲーム機になかったフリーダムなソフトが溢れ出す事になってしまいました。
そこで今回は、その次世代ゲーム機バブル時代に咲いた仇花、それも「悪趣味ゲーム」に焦点を絞ってお話したいと思います。
事前に申し上げておきますが、本エントリーは微グロ要素や毒表現を含んでおりますので、そういうのが苦手な方はご注意下さいね。
■パペット・ズー・ピロミィ

1996年にヒューマンから発売された幼児向け情操教育ソフト。基本コンセプトは「様々な動物のパーツを組み合わせて、正しい動物の形にするパズルゲーム」というものでしたが、「違った動物のパーツを組み合わせて、なおかつそのキメラ化した異形の動物たちを草原や森などへ放し飼い出来る」という狂ったファクターのおかげで、とんでもない悪趣味ゲームへと変貌してしまいました。
「頭はダチョウ・胴体はトラ・足はキリン・尻尾はブタの顔」「頭はワニ・胴体はクマ・尻尾はシカ」等のクリーチャーが次々と野に放たれるさまは、さしずめ「わくわく化け物ランド」といったところでしょうか。

組み合わせがそれなりに合っていれば、とんでもない異形のままヨタヨタ動くさまを見物出来るのですが、組み合わせが悪いと「野に放たれたままピクリとも動かず、ただ餓死を待つばかりの肉のオブジェの出来上がり」という背徳感がたまりません。

元ヒューマン社員「週刊ちゃんこ」管理人のヤジャマンさんによりますと、開発中は「組み合わせられる動物のパーツの中に人間のパーツ」があったらしいです。
それはさすがにシャレになっていないと思うのですが。
■グルーヴ地獄V
ソニー・ミュージックエンタテインメントから1998年に発売された電気グルーヴプロデュースのミニゲーム集。ちなみにジャンルは「クソゲー」。いやマジで。
オープニングムービーも「中本工事似のサラリーマンが下町で暴走トラックに轢き殺される」という電気テイストたっぷりなシロモノ。耐性ない方には意味不明だとは思いますが、彼らのプロモーションビデオはいつもあんな感じなので無問題です。


ゲームの内容は「薪割り」「交通量調査」のような序々に難易度の上がる古き良きミニゲームもあれば「心霊写真鑑定人」「ときめいていいとも」のような存在自体がギャグのもの、「ボールペン工場」のようなゲームとは呼べない単純労働など悪い意味で多岐に渡っております。


2005年に続編で「バイトヘル2000」も出ておりますが、一説によるとグルーヴ地獄に対するあてつけで開発されたと噂される後発の「リズム天国」(電気グルーヴのオールナイトニッポンで散々ネタにしていたシャ乱Qのつんく氏が開発に携わった)に売り上げで大惨敗したあたりが、大変興味深いですね。

▲「バイトヘル2000」より

▲「リズム天国」より
同じく電気グルーヴのオールナイトニッポンで散々ネタにしていた石川よしひろに番組のパーソナリティーを交代させられた彼ららしいと言えばらしいのですが。
なお、誤解のよきように申し上げておきますと、「グルーヴ地獄V」「バイトヘル2000」は本エントリーで紹介した中で唯一真っ当なゲームですので、誤解なきようお願い致します。面白いよ。
■ムーンライトシンドローム
1997年にヒューマンから発売。いきなり私事で恐縮ですが、わたくし、「トワイライトシンドローム」に惚れこんでプレイステーション本体を買ったクチでして、個人的にプレイステーションのベスト5ソフトに入っております。


…しかし、この続編「ムーンライトシンドローム」は前作のホラーでありながら切なくも哀しい世界観をものの見事にブチ壊してくれた最悪の続編でして、例えて言うならば「メタルギアソリッド」と「同2」の関係を10倍ひどくしたような感じでしょうか。


その他にも改悪点を列挙いしたますと
グラフィックは全て不気味テイスト漂うプリレンダに変更

サブキャラクターのほぼ全てが人格障害者か精神分裂病というサイコっぷり

不安感を煽るだけ煽っておいて全く伏線を回収しない投げっぱなしのシナリオ

前作のメインキャラクターの多数が意味不明の死を遂げるという出来損ないのエヴァみたいな内容に前作のファンは怒り狂いました。もちろんわたくしも含めて。


先ほどの例で例えるならば「メタルギアソリッド2ではシナリオが支離滅裂になった上にメリルもオタコンも大佐も唐突に死ぬ。ラスボス戦はとって付けた超能力バトル」になったと言えば少しは理解して頂けますでしょうか。「トワイワイト」の隠しシナリオ「Prank」から嫌な予感はしていたんですけどねえ。


内容の是非はともかく、全編に漂う乾いた狂気は別の意味で必見です。ベスト版も出ておりますので、須田剛一テイスト溢れる不快な気分になりたい方は是非とも。
…わたくしですか?PS2の「michigan」で懲りました。
■厄・友情談疑
1995年にアイデアファクトリーより発売。
先ほどの紹介で「ムーンライトシンドローム」をボロクソにけなしてしまいましたが、こちらの「厄・友情談疑」の方が比較出来ないほどに低質です。

※コメント欄で指摘を受けたので修正。日野日出志氏が関わったのは続編の「厄痛・呪いのゲーム」でした。ななしさんありがとうございました。
ホラー・スプラッター漫画界の巨匠・日野日出志氏タッチの不気味なキャラクター造形は、ある意味特筆ものでしたが、真に特筆すべきはその腐り切ったゲーム内容。


悪趣味なキャラクターデザイン・使い回しのムービー(キャンセル不可。しかも主人公別の視点で使い回されるのでウザさも5倍)とゲーム中唐突に挿入される鬱陶しい自社CM、そして何よりレスポンスの悪さとロード時間で水増しされたプレイ時間・意味を成さないザッピングシステム・稚拙で独りよがりなシナリオ・1時間ちょいでオールクリア出来る内容の薄さ等々、褒める部分が全く見当たらない真性のクズゲーですが、特筆すべきは作中さんざん匂わせた「真のエンディング」が実は存在しない件に尽きるでしょう。

当時は沸き上がる不快感を堪えつつ手書きで攻略チャートまで作成したがゆえに、それを知った時の憤りは大変なものでした。
「一年前に起きたある事件の為、閉鎖になった学校にタイムカプセルを掘り返しにやって来た仲良し5人組。ところが実はそのうちの一人が過去のイジメによって他の4人に恨みを抱いており、復讐の惨劇が繰り広げられる」といった内容ですが、題材も陳腐な上に小学生レベルにまで崩壊した怪しい日本語で綴られたシナリオはイタさ満点。これが商業ベースで流通した事を思うと不思議なくらいですが、特筆すべきは犯人「祐一」視点のシナリオ。

「この持って来た注射器でこいつらをブスリだ!うひょひょ!どうだい?キミ(プレイヤー)も楽しくなってきただろう?」といちいち不快な質問を聞いてくるばかりか、その選択肢に「いいえ」を選び続けると

「何だかキミ、気に喰わないねぇ!キミの身に何か呪いが降りかからないといいねぇー!」

「このゲームの悪口を言いふらしたからって、キミの身に何も悪い事は襲い掛からないからねぇ!ホントだよ!うひょひょ!」

…わたくし、長年さまざまなゲームをプレイしておりますが、ゲームの開発者に対してここまでの憤りと嫌悪感を感じたのは初めてでしたよ。
本ゲームの悪評が広がる事に対してゲーム中、くどい位に稚拙な脅しをかけるさまは、古今東西のゲームの歴史の中でも前代未聞の卑劣さだと思いますがいかがでしょうか。
個人的な感想ですが、こんなレベルの物を乱発するメーカーが、ゲーム氷河期の今でも活動している事が今でも不思議でなりません。
【まとめ】
今回のエントリーは特に「ムーンライトシンドローム」と「厄」について10年間暖めてきた鬱積が爆発してしまい、正直相当に暴走して書いた部分もありますが、この憤りを少しでも解って頂ければ幸いです。
さて、最後になりますが、2ちゃんねる家庭用ゲーム板のアイデアファクトリー総合スレッドに毎回飾られる超簡易版テンプレが極めて秀逸だったので、締めの言葉代わりとしてここに掲載しておきますね。
Q.アイディアファクトリーのゲームは買いですか?
A.買うな。


