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2009-10-31 01:27 | カテゴリ:日記
前々回のエントリーが多大な反響を呼び、コメント返信も全レスが基本というスタンスを取っていた拙ブログですが、この膨大な量のコメントに全レスは物理的に無理になってしまいました。レスが出来なくてどうもすみません。

わざわざコメントを書き込んで下さった皆様、ありがとうございました。特に冷静な批評や暖かい応援メッセージは本当に励みになりました。
拍手コメントや非公開コメントまで全て目を通しておりますので、どうかご容赦を。

さて、今回の騒動を蒸し返すつもりは無いのですが、前々回のエントリーでいまいち説明不足だった部分を新たに補足というか再構築して、一応の区切りとしたいと思います。

まずは、何故わたくしが「ここまで過激な発言をした吾妻先生を擁護するか」「何故「けいおん!」ファンにここは動くべきでは無かったと諌めるような発言をしたか」について補足しておきます。

まずは騒動の発端になった吾妻先生の発言を再度振り返ってみると、

「録画してあったTBSアニメの『けいおん!』観る。
空虚だ。ギャグもナンセンスもユーモアもエログロもストーリーらしきものも何もない。
ちょっとしたフェティシズムがあるだけ。このアニメ作ってる人も見てる人々も不気味。
そんなに現実イヤなのか?

この気持ち悪さはメイドカフェにも通じるものがあるな。」


この発言が例えばワイドショーで適当なコメントを垂れ流すタレント崩れやインチキ学者の類が発言したとしたら、わたくしも大いにバッシングしたと思います。

何故ならば、その発言の元にあるのが「オタク文化を叩ける私って常識的でしょ?」「そもそもアニメやメイド喫茶にハマる奴らって何なの、気持ち悪い」といった批判する対象についてロクな知識も無い癖に知ったかぶりでバッシングするという、差別意識による売名行為に映ったでしょうから。

さてここで話は三年前に遡りますが、2006年の新宿ロフトプラスワンにて、オタキングこと岡田斗司夫氏のワンマントークショー「オタク・イズ・デッド」内にて衝撃的な発言が岡田氏の口から発せられました。(情報をくれた方々、ありがとうございました。)

「オタクは死んだ」

「オタク」が昔よりも社会的に認知され、許容された現代。ジャンルの多様化や、若年層に多く見られる「好きな作品を狭く浅く愛するライトオタク」が一般的になってしまい、価値観の共有が図れない時代を嘆いたような発言でした。
オタクはすでに死んでいる

さてここで、1997年に発売された「東大オタク学講座」にて小林よしのり先生との対談時に岡田氏が発言した内容が非常に気になるものだったので、少し引用してみます。

「例えば私がここの対談で「オタクは素晴らしいんだ!」と主張したとします。

そこで、額面通りに「そうかぁ!オタクって素晴らしいんだ!」と鵜呑みにしてしまう人が7割。

「そうかぁ、そう言われればそういう部分もあるかもね」と一部同意する人が2割。

「ああ、この人は言論の立ち位置やどういう利益を享受するかという立場によって、こういう発言をするんだな」と推察する人が1割。…いや、今や1割もいないかな」


という要旨の発言をしたのを記憶しているのですが、今回の炎上騒動で微妙にリンクする部分があると思うのです。

つまり、吾妻ひでお先生が「このアニメ作ってる人も見てる人々も不気味。そんなに現実イヤなのか?この気持ち悪さはメイドカフェにも通じるものがあるな。」という発言をメタ的に捉えず、額面通りに受け取ってしまう人が大多数だったからこそ、これだけの炎上騒動になってしまったのではないか。

建設的な議論をする上での基本的なマナーは「発言者がどういう人物で、どういう作品経歴の持ち主で、どういう思想的バックボーンがあるか。また、そういう発言をする事によって発言者本人にどういう利害関係が発生するか。」を知る事から始まります。

「けいおん!」ファンの大多数は若い年齢の人たちの割合いが多く、そこまで思慮・推察して反論出来る人は殆どいなかったであろうと判断したわたくしは、だからこそ諌言したのです。「脊髄反射で反論しない方がいい。勝ち目が無いから」と。

「で、誰?」「何こいつ、知らないんだけど。売名行為?」と常套句の反論をした時点で、「作品や人物を知りもしないで罵倒する」という最低の行為となってしまい、それだけで自ら敗北宣言したと取られても反論出来ないからなのです。

これは邪推になりますが、ファンとアンチの罵り合いが活発な「けいおん!」という作品という荒れやすいネタを使って、モラルの無いニュースサイトが「けいおん!」ファンに勝ち目の無い喧嘩を吹っかけるように炎上を焚き付けた。わたくしは未だにこの疑念が頭の片隅に残るのです。


そもそも、日々膨大な小説・漫画・テレビ番組を貪るように視聴する中、思った事を数行のメモ的に感想文を書き連ねるだけの日記で、わざわざ3ヶ月も前の記事をニュースサイトが取り上げるのは余程の悪意があったとしか個人的には思えなかったのです。

元々吾妻先生のボヤキ節の作品批評は、別に「けいおん!」批判をする前から別の作品についても多々行っており、例えば「月詠」については「あーそーですか」の一言。一大ブームを作った「電車男」の感想は「ほげー」、TVドラマ版に至っては「ものすごくつまらない」と酷評。と、食指を動かされなかったものについてはまともに感想すら付けておりません。
ホムンクルス書評
ドラマ版電車男・ものすごくつまらない


「逃亡日記」の中では「あたしンち」のけらえいこ先生に初めて会った時には「おお!このコムスメが国民的ベストセラー「あたしンち」の作者」と驚いた後「くやしい…」と地べたに這いつくばって悔しがる様子と「嫉妬心だけがこのおっさん(吾妻先生)の創作源なんだから気にしないで。」と、とり・みき先生に小馬鹿にされているシーンがご本人の漫画によって描かれていたりしますし、
嫉妬心だけがこのおっさんの創作源

吾妻先生は「コミックチャージ」誌の連載でメイド喫茶に頻繁に通っている事を暴露しており、わたくしはいつもの自虐ギャグの一種として苦笑していたのですが。
ロリアルしでお
かわいい顔しておやじギャグ
このアニメ宗教臭いから大嫌い

また吾妻先生は「やおい」とファンジンが席巻していた創世記のコミケに於いて「シベール」という現在の成人向け美少女同人誌の原型というものを頒布し、現在の美少女系同人誌の礎を作った人です。
シベール収録・妄想のおと

わたくしは「チョコレート・デリンジャー」と「魔ジョニア・いぶ」からファンになった歴史の浅い吾妻ファンですが、濃いファンの人が吾妻先生に持つ敬意は相当なものがあると思うのです。
チョコデリ
いぶタンハァハァ

その例として評論家の大塚英志氏は「美少女キャラクターも不条理も『萌え』も、みんな吾妻さんが原点。こういう先人に対して、僕らは黙って頭を垂れるしかない。」とまで言っている程です。

自分の趣味がどのような歴史によって成り立っているか。その全てを理解しろとは言いませんが、最低限の知識と先人に対する敬意だけは持って欲しい。それが自分の趣味に対する基本的なマナーだとわたくしは思うのです。

…と、これまで古参オタクの立場から今回の騒動を語ってみましたが、これでは「けいおん!」ファンとしては納得いかないでしょう。
実は、感情的・脊髄反射的に反論しなくても、きっちり理論武装していれば正当な議論の応酬として吾妻先生の発言に強烈なカウンターパンチを返す事が出来たのです。

例えば
「吾妻先生の漫画は過去に何作も読んだ。不条理ギャグやSF・パロディや美少女描写の先駆者なのは認めるが、吾妻氏の漫画は余りに内容がアナーキーでオチが無く、展開は乱雑で思い付いた事を後先無しに書き散らかしているだけで独りよがり。

一般の読者は読んだ後に無常感や気持ち悪さが残るだけだから、マニア向け雑誌というジャンルでしか売れなかったのではないか?文科系部活動を楽しむ女子高生の日常を描写したアニメにそこまでの空虚さや不気味さを感じるのは、間違いなく貴方の感性や批評眼が歪んでいる証左だと思うが、いかがだろうか。」


ここまで難しい言葉を使わなくても
「漫画をアニメ化する際にリアルな鬱要素を持ち込んで成功した例がありますか?古くは「ダメおやじ」「あさりちゃん」のギャグ漫画がリアル虐待アニメに変貌したし、ここ最近では「ママレードボーイ」が余計な要素を大量にぶち込んだおかげで日曜の朝っぱらからドロドロの痴話ゲンカ満載の鬱アニメになったじゃないですか。」などなど。
ダメおやじ
あさりちゃん
ママレードボーイ 第47話 海辺の二人 『君の幸せを思うから…』.flv_000864481
ママレードボーイ 第47話 海辺の二人 『君の幸せを思うから…』.flv_000967046


若年層オタクの知識不足は当然であり、恥ずかしい事ではありません。わたくしもオタクになりたての頃は何も知らず、第一期オタク世代の人たちからパロディの元ネタを教えてもらったり、「これは名作だから是非見るべき」と、「忍風カムイ外伝」「海のトリトン」「超人戦隊バラタック」のビデオ、新井素子先生の小説を貸してもらったりしたものでした。

■元ネタ
インド人だ

■パロディによる一例
サルまんによるパロ例
※とは言え、「不条理日記」の「インド人だ」ネタは筒井康隆先生の「ふたりのインド人」ですし、「サルまん」のパロディはつげ義春先生の「李さん一家」と混ぜておりますし、ちょっとややこしいですかね。

まあ、「カムイ」「トリトン」共に壮絶な鬱エンドの作品、新井素子先生の「ひとめ あなたに…」は「職業・殺し屋」の死織さんもびっくりのカニバリズム描写に軽いトラウマを覚えたりもしましたが。
死織さん

そうやって先輩や友人からお勧め作品を貸し合ったり、談笑する事によって知識や礼儀を継承されていくのが当たり前だったオタク第二期世代のわたくしとしては、臆面もなく自分の知識不足を吐露したり、増してや乱暴な口調で他人のブログに罵倒を書き逃げしていく人たちを見て、「オタクは死んだ」と嘆いた岡田斗司夫氏の心境が身に染みて理解出来た気がすると同時に、何ともやりきれない気持ちになりました。

自分の言った言葉は、全く伝わらなかったのか。

ひょっとして自分は、炎上の手伝いをしてしまったのではないか。


今回の炎上の総括として延べ4日を費やして今回のエントリーを書いた訳ですが、ここまで書いていて、どうにもやりきれない喪失感だけが残っております…。

追伸:このエントリーを書いた後のコメントより通常通りコメントレスを開始いたします。それまでコメントを書かれた方にはレス出来ませんが、ご了承下さい。

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